恋愛障害物競走

celame2006-12-24

酒臭い息が切れる
薄暗い道に垂れ下がる街灯が回る
肌に鼻腔に肺に突き刺さる冷気


はあっ はあっ


景色の描写なんて考えてる場合じゃない
苦しい
酔いがさらに回る
なんであんなにヒールの高い靴で速く走れるんだ
またひとつ知らない魅力を見つけた


はあっ はあっ


んなこと思うわけねーだろ
そんな事考えてる余裕はないだろ
普段は転んでばっかりなのに
空気が冷たく澄んでいるからか月が綺麗だ
ゆっくり見たいのに


はあっ はあっ


くそっ
そもそも喧嘩の原因なんて
下らなさ過ぎて忘れた
世間では大昔に死んだ人の誕生日で


はあっ はあっ


幸せな一夜なんじゃないのか
折角のお洒落も料理も台無し
というかそんな事はどうでもいい


はあっ はあっ



どうでもいいから もうホントに
あー もう惚れた方が負けだなんて言った奴は誰だ


はあっ はあっ


「ま 待てよ・・・」


はあっ はあっ
はぁ… はぁ…


「な 何よ・・・」


はあっ はあっ
はぁ… はぁ…


「悪かったよ 謝る」
「・・・」


はあっ…
はぁ…


好きな女を抱き締めるのさえこんなにも骨が折れるなんて
綺麗な星空とかこの季節だけのイルミネーションとか見てる余裕なんて無くて