強さと弱さ

celame2007-01-24

いつの間にか強いねと言われる事が多くなった
なんだか悲しかった
僕は弱い存在だと思って生きてきた
心を切り裂くような思いでそれを告白しても無駄だった
それすらも強いんだと
なぜだろう
強い人に憧れていた
弱い自分を蹴飛ばして宥めて慰めて一緒に眠って
追ってきた幻影はまだ遠くに背中が見える
それを追わなきゃいけない
立ち止まると何かが崩れてしまいそうだから
でも
怪我をしているきみを
きみを置いていく事になるのかな
弱っていくきみを見ていて音にならない言葉が
言葉が言葉になれなかった言葉が漏れる
だけど僕は
僕はきみがまたいつか歩き出すことを知っている
僕はきみが言うように何かの強さを身に着けたのだろう
身体が鈍く重たくなってきたのはそれのせいかもしれない
たぶんそうだ
でも僕は
僕は知っている
きみはきみが言う弱さの為にきみの弱さを守る事ができない事を
何れ強くなってしまう
もう
強さと弱さが
きみの言う強さと弱さ
それらが神の数式のように奇跡的にひとつになっていた自分には戻れない
薄い刃物のように鋭くて脆かった美しさ
何れ強くなってしまう
愛しい弱さを守る事ができずに