ひっそりと彩りを

射干玉の夜に沈んでいる
激しい雨音に耳は塞がれる
人気の無い通りに膝を抱える



どこを歩いてきたんだろう?
あそこの角を曲がったんだっけ?
空ろに思い返す



もうどうしようもない
自分というモノを持てなくなる
持ちたくなくなる
最初からやり直せたらいいのにな
お手軽なゲームみたいに



ここに来たのは自分だって解かってるよ
ここから出て行かないのも自分だって知ってる
待ってるだけじゃ雨は止まないのかな



塞ぎ込んだきみにはどんな言葉も届かない
だから今は何も言わずに花を添えに来るよ
いつか気がついてくれたらいいな