2006-01-01から1年間の記事一覧

心休まる場所

ただ縁だけが続いてるような仲 気が合いすぎてキライになるような仲 なぜか判り合ってしまい遠くにいても気が付いてしまう こうやって何か合った時にいつも一緒にいる そんな情けない泣き言にもにたセリフでグラスを鳴らす わかっている事を言われるのは未だ…

縋るモノがあるから?

悲しいことのはずなのに泣けない さらに深い嫌悪感に苛まれる 鋭利に刺さった一言すら夜が過ぎたら忘れていた 何も考えていなかったのか 何も思っていなかったのか なんて考えても仕方ないから 今日も何時も通り過ごす 涙を流さない目を瞑って 痛みもしない…

そういえばあの日も暑かったっけ

夏の終わり 太陽を称える様に短い命を羽の音に変える蝉 耳障りだったけれどこの時期はいつも物悲しく響く ひとつまたひとつと静かになっていく 生命を謳歌していた季節が流れてどこか悲哀を感じさせる 鈴虫達が鳴き始めそんな夜に彩りを添えて 熱が溜まって…

記憶

記憶はいつも鮮やかで どんな歌もどんな文章も 過去を綴る時は優しく 今の自分だったらあの時もしかしたら 違う未来を選べたんじゃないかって どんなに些細な事でも戻りたいと願う 記憶の中の自分は今の自分に見られてるなんて思わずに 止めようと伸ばした手…

どんな出来事でも少しずつ小さくなっていって消えてしまう

どんな出来事も例外なく みんなとても忙しいから 大事な事なんてたくさんあるから だからこそって 忘れたくないって足掻いてるんだ 突然の告白 戸惑う人 引き止める人 それが悩んで選んだ結果ならと受け止める人 頑張ってと元気付ける人 初めてじゃないけれ…

きみのかお

働いているきみを見ている 仕事っていう一点だけを見ているその目 振り返ったときの凛々しい横顔 ちょっとかっこいいなって思うよ 休憩時間につっぷして眠っているところとか 仕事以外の話題に億劫でついてこないところとかは なんだかなぁって感じだけど ず…

車通勤

朝露のような霧雨 あまりの湿度の高さにうんざりする 空はうっすらと雲を残して晴れ渡ってるのに 雨に濡れた青い葉の匂いを大きく吸い込む キーを回して車は目覚めよく唸りを上げる 助手席からみるあなたは真剣な目で エアコンが効き始める 路面は太陽を反射…

 昨日、今日、明日

明日なんか見たくなくて膝を抱えてる 全てを拒絶するように時間を止める様に 内なる目は決して啓かないで 生きているという今を楽しむ 昨日の事は忘れて明日の事なんて考えないで 何事も無常に過ぎ行く決して留まらないで 昨日に追いつかれる事に怯えながら…

翼の折れた空を見て

またこの感じ わかってる 自分だけじゃないって 一人でいるって言う事は別に寂しい事なんかじゃないって ふと見上げた空のどこまでもどこまでも広がる色 あまりに澄み切った色に立ち竦んで怖気づく 弱くて泣き虫なこの体が道に迷ったみたいに 手を広げている…

青いままで

親愛なるお月様 僕はいつまで子供なんでしょうか もう随分遠くへ来た気がします けれども先はこの夜みたく見えないままです 優しく夜を照らしてくれるのに 僕の明日は照らしてくれないのですか なんて下らない事を思ったりもします あまりに普通すぎるから …

寂しがりな甘えん坊達の溜息

茹だる様な昼の暑さを溜め込んで景色を揺らす 夕闇は暑さに微笑み掛ける様に大粒の雨を降らす 雨が止むまで 誰かに寄り添いながら 刹那とも思える風が吹き貫ける 昨日にも明日にもないどこでもない今 劣情も 慕情も 約束も 駆引も 言葉も 惰性も 嘘も 情も …

明る過ぎる吟月に叢雲

咳が止まらない 道に迷っちゃった こんなにも明るいのに 深く眠りこける体 夢の中でも夢をみてた 目が眩む朝焼け 何も無かったみたい なんでも手に入れて来た 愛と欲に塗れながら 揃ったら虚しくなったよ 鉄を噛み締めながら 渇いた喉に命の水を 黒い天使が…

探求者達 狂信者達

君を想って過ごす夜は 幸せだったんだ きっと 君の姿が目に止まるだけが全てだった 声に出すことも触れる事もできなかった 昨日の夜はあんなに言えたのに 昨日の夜はあんなに 何度でも繰り返した 嫌じゃなかった 空に捧げた祈り 少し返してもらおう 自らの心…

落日に想う

夕暮れの河川敷を汚れたシャツで歩いた 振り返ると遊んでいた場所が遥か小さく ずっと夕方だったらいいのにって思った 夜でもなく昼でもなく みんなで走り回ってられる唯それだけの時間 家に帰りたくないわけじゃないんだけど ふてくされた気持ちなんとかし…

ずっと昔から続いてきた月と海の遣り取り

爛れて落ちる沙の楼閣 これでよかったなんて云うつもり? 夢から冷めてもまた夢の底 頭上には幾重にも罪重なった夢の層 醒めても褪めても繰り返す やがてあなたは諦める 沈む魂は全て有耶無耶に 落ちた粒は溜まりて流れる 母に抱かれる滄海に淀み心熾きなく…

狂戦士達の鎮魂歌

飼いならされた従順 掴み取れない指先 味を分けられない舌 心を感じれない心 唯一直向きに進み続ける 死ぬ為だけに生まれ死ぬ 闘いの瞬間に悦び悶える 名誉なんて必要ない 牽き止められる理由なんて下らない 守るものなんて要らない 未来なんて見えない 陽炎…

邯鄲の夢(2) - side f - 夕立

どんなに饒舌な日でも寡黙になるね 体を預けるように守ってくれるようにゆっくりと動く 大粒の汗がひとつひとつ落ちてくる 暑さと熱さからは考えられないほど冷たい粒 少しずつ昇って逝って達っしてしまう 抱きしめる事もできなくなる 程なく離れる気配 かち…

邯鄲の夢(2) - side m - 熱病

しているときになんで目を閉じるんだろうな 僅かな差の声や反応を見て探って行く いまだに苗字で呼ぶ掠れた声 肌蹴たブラウスに乱れた髪 唇を求めて腕を絡めてくる 震えるのを感じて強くする 達した後に足元がふっと消えて谷底に落ちるような錯覚 した後はな…

邯鄲の夢(1) - side f - 熱夜

蒸し暑い私の部屋 風の流れを良くして日中に溜まった熱を逃がす この季節は窓を開けたこの場所が一番気持ちが良い いつもの癖で空よりも下にあるビールの自販機に目が行く まだ灯りがついている 今日は一人で帰ってきたんじゃなかったっけ じめじめと鬱陶し…

邯鄲の夢(1) - side m - 夏夜

フローリングのこざっぱりとした部屋 テレビも読みかけの雑誌もなにもない 大きく窓を開けて窓際に立つ彼女 窓から見える夏の空を纏って 泳がせていた目をこちらに向ける 香水が風になびいて漂う 一瞬時間が止まって目が離せなくなる 差し出された手に寄り添…

偶に絡み会って解けて消えて

「海がみたいわ」 「困ったときの定番だな」 真夜中の海は一色で塗り潰されている 「なんだか吸い込まれそうで怖いわね」 「夜の海には魔物がいるんだってさ」 「例えばあなたみたいな?」 「さらっと酷い事を言うね」 いつもは落ち着くはずの波の音もどこか…

静寂の雨の中

似つかわしくない物思いに耽る 揺れる火影が心の輪郭を浮き上がらせる 優しい嘘を何故かける事ができなかったのだろう 嘘を許せない自分の弱さを認めたくなかったのか 目を凝らせば本当の事なんて僅かにも残ってないのに 伸びて踊る陰影は掘り下げた心の闇 …

名も無き日々に捧げる

一緒にいても寂しくて淋しくて 一時の人の物とは思えない感情に流されて 気が付いた時には・・・ 始まりは何時もいつも運命だと思えるのに 続ける事の蛇行と惰性の渦と天啓のように時折差す魔 終わりは何時もいつも唐突で滑稽で どうかしてるのかな・・・ 心…

生きとし生ける

反復して拡がる痛覚を刺激する波紋 目を閉じて畏怖の色と同じ世界へ身を置く 波紋は体へ拡がり色をも歪ませる 体も心も疲れ切って迎える深黒の夜 月や 山や 海や 空や 生きている事の意味 わかる日がいつか来るのかな 消えてしまいたいという儚い溜息 やり過…

夏の夕暮れ

カナカナカナカナカナ・・・ ヒグラシの鳴き声で目を覚ました 部屋に入る光からは明け方なのか夕暮れなのかはわからない 痛む頭を抑えて水をゴクっと飲み干す 乾いた喉に染み入る 何かの鳥も鳴いてる カーテンを開けると日が傾いている 路面が僅かに濡れて光…

誰も居なくなったあの日に決めた そしていつかありのままの先に光を見つけた

毎日水を替えていた一輪の花 すぐに枯れてしまった むしり取ったあの日に決まっていた どうして花は枯れるんだろう 自らを創り組み変えてきた すぐに固まってしまった その足で歩き出した日に決まっていた? どうして人は死ぬのだろう 身長は伸びたけれど大…

新しい生活

新しい部屋の匂い 生活感の無いただの箱 エアコンも無い為に窓を開け放っている 外から電車の走る音が入り込んでくる 電車の音に掻き消されない様に話す声も大きくなる 全てのダンボールを入れ終えて一息つく ダンボールの位置を微妙にずらしてアートを気取…

禁言

よくそう言われるよ 同じような事を誰かしらが言う そう言われる度に少し・・・ ああ そっか またか と頭の中で溜息が漏れる それは意図したものではなくて 例えば冬の朝に最初に吐いた息がたまたま白かったとか 自分って一体何なんだろうっていう幼稚な問い…

止り木

異国の渇いた風が頬を撫でてる 街角で奏でられている音楽が旅人を迎える それまでそうしてきたように 石畳をゆっくりと踏み占める 何かのスパイスの香りが鼻腔をくすぐる ふと目の前を見ると懐かしい笑顔 焼きついた影から陽炎が伸びて景色を歪める ひらひら…

波の音が聴こえる

ざーっ っと返しては ざーんっ と寄せる 母に抱かれて感じていた鼓動や 嵐の夜に歌ってくれた子守唄 甘いような酸っぱいような そんなものにどこか似ている 浜に流れる濡れた砂が行ったり来たり 絶えず砂時計をひっくり返している 単純な作業の繰り返しを飽…